きもので楽しむ「大琳派展―継承と変奏―」特別鑑賞会
今話題の大琳派展の特別鑑賞会に行ってきました。
招待された人だけが貸し切りで展示を鑑賞できるという企画です。タイトルにあるとおり、きものの着用が前提なのですが、女性誌の企画ということで、男性の私は免除?でスーツでOKでした。比較的年配の方が多かったのですが、100人以上の人が着物で連なっている様子は圧巻でした。
鑑賞の前に、ゲストの真野響子さんのトークショーと、学芸員の方による見どころの解説がありました。今回のテーマは、本阿弥光悦と俵屋宗達から始まり、尾形光琳を経て、酒井抱一へと続く、琳派の足跡を辿るというものです。改めて作品を並べて比較してみると、先達の作品に対するあこがれや尊敬をもちながらも、そこに独自の感覚が取り込まれ、また違った作風を生み出していることがはっきりと分かりました。最も印象に残ったのは、酒井抱一の四季花鳥図巻という作品です。数メートルにわたって、四季の変遷が非常に写実的かつ鮮やかな色彩で描かれているという大作です。
また、先日の源氏物語もそうですが、琳派の作品そのものが着物のモチーフとして用いられていることを知り、日本人は芸術を日常生活に取り込み、身近に感じられるようにしながらも、取り込んだもの自体まで芸術化させてしまうという文化を持っていることを改めて感じました。西欧でモネやゴッホの作品をセーターに編み込み、それが芸術化するなどという話は聞いたことがないので、これは日本人のが誇るべき独特の感覚ではないでしょうか。
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